ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》

2017.4.8(sat)〜9.24(sun)日本科学未来館企画展示ゾーン[東京・お台場]

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作品紹介

用語集

動き出すいのち

重力をもったキャラクターたちの誕生

回転する円筒をスリットから覗き込むと絵が動いて見える“ゾートロープ”、重ねられた紙をパラパラとめくることで、そこに描かれている絵が動いて見える“パラパラマンガ”。アニメーションのルーツはそんな素朴な“動かす喜び”から始まった。1928年、ウォルト・ディズニーは『蒸気船ウィリー』を公開。一枚の絵に“いのちを吹き込む魔法”の歴史はここから始まったのである。

展示室の様子ゲート蒸気船ウィリー

魔法のはじまり

あくなき研究と開発の日々

ウォルト・ディズニーは、“キャラクターとアニメーションの動きに合った音楽を付ける”というミッキーマウスの短編を作ると同時に、“音楽に合わせてキャラクターやアニメーションを作る”というシリー・シンフォニーの短編制作を開始。この二つのシリーズで作画や映像の技法や表現を試行錯誤し、アニメーションならではの、“いのちを吹き込む魔法”を磨き上げていった。そして、これらのノウハウをもとに大きな賭け、世界初の長編カラーアニメーション映画の制作に立ち向かっていく。

白雪姫展示室の様子ピノキオ

魔法の使い手たち

表現の多様化とひろがる世界観

1950年代に入ると『ふしぎの国のアリス』や『眠れる森の美女』など、立て続けに名作を生み出した。ここでは、ナイン・オールド・メンをはじめとするベテランアニメーターたちと、メアリー・ブレアやアイヴァンド・アールなど新進気鋭のアーティストたちが作り上げたアートスタイルの異なる作品群がさらにディズニー作品の世界観をひろげることになった。

ふしぎの国のアリスわんわん物語101匹わんちゃん

新たな次元へ

デジタル、ミュージカルの海へ

『リトル・マーメイド』のヒットをきっかけに、ディズニー・アニメーションは見事に復活、二度目の黄金時代を迎える。この頃より、CGをはじめとしたデジタル技術を徐々に取り入れ、デジタルならではの表現をも追求していく。また、自らの意思で力強く生きるプリンセスやヒーローたちを盛り立てる、豪華絢爛なミュージカルシーンや美しい楽曲が、観る者の心を掴んだ。

リトル・マーメイド美女と野獣ライオン・キング

つながるいのち

多様な社会や地球の未来に向けて

1995年、世界初のフル3DCG映画『トイ・ストーリー』が公開された。アニメーションは、ここで3DCGという新たな魔法を手に入れた。2006年にディズニーとピクサーが一緒になってからは、ジョン・ラセターが両社の作品の製作総指揮としてクオリティ管理を担当。作品では、多様な価値観や地球の未来など、より社会的なテーマが色濃く描かれていく。

アナと雪の女王ズートピアモアナと伝説の海

アニメーション・シアター

約90年に渡り、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで製作されてきたキャラクターとその世界観を楽しめるシアターです。
ミッキーマウスから『モアナと伝説の海』まで、ディズニー・アニメーションの魔法を展示室の最後にもう一度体験いただけます。

蒸気船ウィリー(1928)

《蒸気船ウィリー》より 1928年

《蒸気船ウィリー》より 1928年/アブ・アイワークス

1920年代末、映画界がサイレント(無声映画)から動きと音が完全にシンクロしたトーキーへと移り変わる技術革新の狭間に、ミッキーマウスは誕生した。トーキーによって、映画はサウンド(音楽、声、効果音など)を手に入れ、『蒸気船ウィリー』は、その新技術をフル活用した、世界初のトーキー・アニメーション映画となった。じつはその少し前に『プレーン・クレイジー』と『ギャロッピン・ガウチョ』というミッキーマウスのデビュー作がサイレント映画で作られていたが、この2本の前に『蒸気船ウィリー』を公開。なお、ミッキーの声は、ウォルト自らが担当。まさにミッキーはウォルトの分身であったといえる。

ミッキーのハワイ旅行(1937)

《ミッキーのハワイ旅行》より 1937年

《ミッキーのハワイ旅行》より 1937年/ディズニー・スタジオ・アーティスト

ミッキーマウスやミニーマウスの活躍する短編アニメーション作品は、1928年から1950年代にかけて、100本以上が制作された。1935年に制作された『ミッキーの自動車修理』からは、ドナルドダックやグーフィーといったお馴染みの仲間たちも登場。この『ミッキーのハワイ旅行』も、ハワイでバカンスを楽しむミッキー、ミニー、ドナルド、グーフィー、プルートのアンサンブルが愉快な一作。

ミッキーの芝居見物(1941)

《ミッキーの芝居見物》より 1941年

《ミッキーの芝居見物》より 1941年/ジャック・キング

1932年、テクニカラー社が三原色に基づくカラーフィルムを発表。映画に色が付くという、トーキーに続く大きな技術革新が起きた。ウォルトは、まだ初期の実験段階の技術だったにも拘わらず、テクニカラー社と向こう2年間のアニメーション映画における独占使用権を獲得した。

白雪姫(1937)

《白雪姫》より 1937年

《白雪姫》より 1937年/ジャック・キャンベル

1934年、ディズニー・スタジオは、長編アニメーション映画の制作に入る。短編映画制作で培われたトーキーというサウンド技術、テクニカラーという色彩技術に加えて、ストーリーボードを用いての制作体制の構築、スタジオ内にアニメーションスクールを作っての人材育成など、さまざまな取り組みがなされ、莫大な費用と時間を掛けて制作された『白雪姫』は1937年に完成。世界初の長編カラーアニメーション映画が誕生した。劇場公開されると空前の大ヒットとなった。アニメーション映画を芸術の域に高め、今に続くディズニー長編アニメーション作品の第一歩はここから始まった。

ピノキオ(1940)

《ピノキオ》より 1940年

《ピノキオ》より 1940年/フランク・トーマス

ディズニー・スタジオによる長編アニメーション作品の第二作。ウォルトは『白雪姫』の成功を踏まえ、妥協を許さぬ姿勢で、高度な技術や取り組みを実践した。その代表的なものがマルチプレーン・カメラの活用である。マルチプレーン・カメラは、シリー・シンフォニー・シリーズの『風車小屋のシンフォニー』や『白雪姫』でも使われていたが、『ピノキオ』の冒頭、朝の場面におけるマルチプレーン・カメラでの数十秒のシーンは、奥行きと立体感を表現した傑作シーンと言える。

ファンタジア(1940)

クラシックのコンサート・プログラムとアニメーション映像の融合を目指して作られた歴史的名作。ディズニー・スタジオは、“ファンタサウンド”と呼ばれる音響の録音・再生システムを開発。これによってコンサートホールにいるような音響効果を得ることができた。映画はプレミアショーでは賞賛されたものの、実際にファンタサウンドの音響装置を据えることができた劇場は数少なく、興行はうまくいかなかった。だが、再上映を重ねるうちに、その芸術性の高さが認められ、後にディズニーを代表する作品となった。

ダンボ(1941)

象が空を飛ぶ「想像力」が際立つ作品。言葉を話さないダンボは、感情を顔や身体をいっぱいに使って表現されている。優秀なアニメーターたちが肩の力を抜いて描いた空飛ぶ象・ダンボの愛らしさ、母象のジャンボが“わたしの赤ちゃん” を歌うシーンなど見どころも多く、作品は世界の人々に受け入れられ、大ヒットした。

バンビ(1942)

《バンビ》より 1942年

《バンビ》より 1942年/ディズニー・スタジオ・アーティスト

子鹿のバンビを主人公に、森に生きる動物たちの姿をリアルな描写で描いた。ウォルトは動物たちの動きにこだわり、スタジオに動物画家を招聘し、美術クラスを開講。また、本物の鹿をスタジオで飼い、アニメーターたちに観察とスケッチをさせた。この手法は後年の『ライオン・キング』(1994)などにも継承されている。また、タイラス・ウォンという中国系アメリカ人が描いたコンセプト・アートは、水墨画のような背景画を描くのに、大きな影響を与えた。

ラテン・アメリカの旅(1943)

1941年8月から2ヶ月あまり、ウォルト・ディズニーをはじめとするアニメーション制作スタッフが南米視察旅行に出掛けた。『ラテン・アメリカの旅』は、その際に撮影された実写映像と、南米を舞台にした4本の短編アニメーションで構成されたオムニバス作品だ。この視察旅行で南米特有の色彩感覚に触発され、鮮やかな色使いで頭角を現すのがメアリー・ブレアである。この後の多くの作品でカラー・スタイリストとしてコンセプト・アートなどを手掛けることとなる。

わんわん物語(1955)

コッカースパニエル犬のレディと野良犬のトランプの交流を描いた『わんわん物語』は、原作を持たないオリジナルストーリーである。また、長編としては初めて、シネマスコープ+という横長のワイド画面で制作された。

ふしぎの国のアリス(1951)

《ふしぎの国のアリス》より 1951年

《ふしぎの国のアリス》より 1951年/メアリー・ブレア

ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』の長編映画化は、ウォルトにとって念願の企画だった。原作の映像化は難航したが、コンセプト・アーティストのメアリー・ブレアが原作の自由奔放なイメージをカラフルな色彩で絵に起こし、アニメーターのウォード・キンボールがチェシャ猫の奇想天外な動きを巧みに表現するなど、優れたスタッフの手腕により、映画は中期ディズニーを代表する作品となった。

眠れる森の美女(1959)

シャルル・ペローの原作をもとに、6年の歳月を掛けて制作された大作。背景美術を担当したアイヴァンド・アールは、中世ヨーロッパゴシック様式の絵画などを参考に、独自の世界観を構築。重厚かつスタイリッシュな背景画に合わせて、キャラクターのフォルムも直線を重視したものに変更された。

101匹わんちゃん(1961)

原作はドディー・スミスの『ダルメシアン100と1ぴきの犬の物語』。従来の童話をもとにした物語とは異なり、現代を舞台にするという新たな試みがなされている。また、これまでは紙に鉛筆で描かれていたキャラクターをセル画に引き写すのは人間の手で行われていたが、本作よりゼロックスによるマシントレス(コピー)が導入された。これによって、斑点のある沢山の子犬をひとつの画面に登場させるといった、手描きでは不可能に近かった表現が可能になった。

ジャングル・ブック(1967)

イギリスの小説家、ドヤード・キプリングが1894年に書いた同名児童文学を大胆に脚色。ウォルト・ディズニーが生前に直接手掛けた最後の作品となった(劇場公開はウォルトの死の翌年)。脚本に目を通した声優がキャラクターのイメージを作りあげ、彼らの声の調子や表情に表現された個性を、アニメーターが視覚化した。

リトル・マーメイド(1989)

《リトル・マーメイド》より 1989年

《リトル・マーメイド》より 1989年/グレン・キーン

ディズニー新時代の幕開けを飾るのは、アンデルセンの名作『人魚姫』を大胆にアレンジした『リトル・マーメイド』。悲哀に満ちた原作のヒロインは、明るく現代的なプリンセスとなり、老若男女が楽しめる作品として大ヒットした。物語の約3分の2が海のシーンのため、さまざまな特殊効果を駆使して、水面や波、水中のゆらめきなどを表現。この作品では、1シーンのみ革命的なコンピュータ・アニメーション・プロダクション・システムによって描かれている。CAPSと呼ばれるこのコンピュータ・システムは、本作品以降のディズニー作品の基礎となった。

美女と野獣(1991)

J・L・ド・ボーモンによる『美女と野獣』を、ミュージカルアニメーションとして制作。高い芸術性と娯楽性を兼ね備えた作品として、アニメーション史上初めて、アカデミー賞作品賞ノミネートとなった。前作『リトル・マーメイド』に引き続いて、ハワード・アシュマンとアラン・メンケンのコンビが音楽を担当。ドラマチックな名曲の数々を作り上げた。また、ヒロインのベルと野獣がダンスを踊るシーンでは、3DCGを導入。従来のセル+背景画の技術では難しかった、自在なカメラワークが可能となった。

ライオン・キング(1994)

アフリカのサバンナを舞台に、野生動物たちが繰り広げる壮大な物語。制作スタッフは実際にアフリカに赴き、アニメーターは野生動物の動きを、美術スタッフはサバンナの光景を観察しスケッチした。こうした『バンビ』の頃から続く伝統的な手法に加え、映画のクライマックスで描かれる、ヌーの大群が暴走するシーンでは、最新のCG技術を導入。ベースとなる手描きの一頭をCGで何千頭に増やして動かした。約2分半のこのシーンの制作に、1年半もの時間が費やされたという。

ポカホンタス(1995)

アメリカ大陸に住むネイティブ・アメリカンの娘ポカホンタスと、イギリス探検隊のジョン・スミスの交流を描くラブストーリー。ポカホンタスは17世紀初頭に実在したネイティブ・アメリカンの娘で、こうした実在の人物をヒロインとしたのはディズニー・アニメーションとしては初の試みだった。音楽は『美女と野獣』などを手掛けたアラン・メンケン。

ムーラン(1998)

ディズニー作品として初のアジアを舞台にした作品。いにしえの中国を舞台に、ヒロインのムーランが戦乱の世に立ち向かい自らの道を切り拓いていく物語。スタッフは中国を訪れ、3週間ほど滞在。観察や記録、スケッチをし、作品作りに生かした。背景は中国絵画の伝統を踏まえ、実際の舞台をリアルに再現するのではなく、大胆に省略。シンプルかつ様式的な美術を目指した。

ターザン(1999)

エド゙ガー・ライス・バローズの原作はこれまで何度も映像化されてきたが、本作はアニメーションならではの面白さに満ちた作品として、全世界でヒットした。1990年代のディズニー作品を作画の面から支えたグレン・キーンによる、ターザンやゴリラのアクションは、人間の筋肉や骨格を的確に捉えつつも大胆に省略するなど見事な描写となっている。

塔の上のラプンツェル(2010)

《塔の上のラプンツェル》より 2010年

《塔の上のラプンツェル》より 2010年/グレン・キーン

グリム童話の『髪長姫』を原作に、ディズニー長編アニメーション50作記念作品として制作された。スタッフは、ディズニー作品がこれまで培ってきた伝統的な手描きアニメーションのぬくもりと、最新の3DCGの融合を目指した。本作に企画段階から携わり、製作総指揮を務めたのは、『美女と野獣』や『ポカホンタス』を手掛けたベテランアニメーターのグレン・キーン。手描きアニメーションの技法を熟知した彼のもとで、CGスタッフは、本作品の命ともいえるヒロイン・ラプンツェルの長い髪を活き活きと感情を持っているがごとく表現することなどに挑戦している。

シュガーラッシュ(2012)

ゲームに登場するキャラクターたちを主人公にした異色の冒険ファンタジー。製作総指揮を務めたジョン・ラセター監督作品『トイ・ストーリー』のゲーム版とも言える世界観で、緻密な脚本をもとにした秀逸な物語となっている。昔のゲームはドットが粗く、最近のゲームは解像度が高いといった、ゲームならではの世界を巧みに表現したCGも印象に残る。また、原宿ガールなど日本的な要素もちりばめられている。

アナと雪の女王(2013)

《アナと雪の女王》より 2013年

《アナと雪の女王》より 2013年/ブリトニー・リー

アンデルセンの童話『雪の女王』を原作に、みずから行動する現代的な二人のヒロイン、心に響く歌、映像の美しさなどさまざまな魅力が合わさり、全世界で大ヒットした。物語の舞台となるアレンデール王国を描くにあたり、スタッフはノルウェーでのロケハンを行い、地形や建築物、インテリア、登場人物たちの衣装などをリサーチした。また、雪を表現するために、新たなシステムを開発。約2000種類もの雪の結晶モデルを作り、それらが実際のCG制作にも活かされている。

ベイマックス(2013)

《ベイマックス》より 2013年

《ベイマックス》より 2014年/ディズニー・スタジオ・アーティスト

サンフランソウキョウを舞台に、日本人の主人公ヒロとロボットのベイマックスとの冒険と友情を描く。スタッフは東京とサンフランシスコからインスピレーションを得た街を作り上げた。また、いくつかのロボット工学関連施設を見学し、その際に見つけた医療用空気注入型ロボットを元にベイマックスの造型を考えた。

ズートピア(2016)

《ズートピア》より 2016年

《ズートピア》より 2016年/バイロン・ハワード

時代に呼応するように「多様性」をテーマとし、動物によって築かれた都市・ズートピアを舞台に、ウサギの新米警察官とキツネの詐欺師のコンビが活躍する新感覚のバディ・ムービー。スタッフは8ヶ月に渡り、ケニアやサンディエゴのサファリパーク、自然史博物館などで、登場する動物たちの動きや毛並みなどを調査・研究。さまざまな大きさの動物たち、そして彼らが暮らす街並みを作り上げた。動物たちのリアルな毛並みの表現については、本作のために“iGroom”というソフトを開発。これによって動物ごとの毛並みの描き分けなどが可能となった。

モアナと伝説の海(2016)

《モアナと伝説の海》より 2016年

《モアナと伝説の海》より 2016年/リサ・キーン

2017年3月10日(金)日本公開予定の、ディズニー・アニメーション最新作。主人公の“海に選ばれた”少女モアナが、愛する人々と滅び行く世界を救うため、悩み傷つきながらも大海原での冒険を繰り広げる物語。「ピノキオ」や「リトル・マーメイド」で開発・進化した「水」の表現が最新技術の導入により格段にレベルアップし、まるで生きているかのようなキャラクターとして描かれている点にも注目されている。